元団地暮らしが「団地のふたり」を見て思い出に浸る

私は、幼稚園~小学2年生くらいまでをメゾネットの団地に、小学5年生から高校を卒業するまで、ドラマによく出てくるイメージの団地に住んでいた。学校は転校していない。母と2人暮らし。

メゾネット団地の隣のおばさんとおばあちゃんが、少しでも物音を建てると壁ドンして怒鳴ってきた。でも外で会うと普通に挨拶してきた。子どもだったからなにも思っていなかったけど、母は怖かったと思う。母の友だちが来ているときにもあって、すごくびっくりされた。結構好きだった、あの場所。

 

私は進学に伴い他県に引っ越して、さらに卒業後に大阪へ引っ越している。その間に、母も大阪へ引っ越したため、当時住んでいた団地は今はどうなっているのかはわからない。

というのは冗談で、どうなっているのかは地元にいる祖母や親せきに聞けばわかるし、GoogleEarthを見たりしているので自転車小屋が新しくなっているのを知っている。

 

団地のふたりのドラマを知ったのは、何かのNHKの録画の最後に入っていたからだと思う。団地って世間ではあまり印象が良くないのかな?貧乏なイメージなのかな?我が家もそうだったしね。

でも最近は、DIY可だったり、おしゃれなお部屋にしている人がいるのを見かける。

団地っていいなぁ~と思うのは、私が団地で育ったからかな。

私の考える団地の良さは、素朴感。ドラマの団地は棟が多くて人もたくさんいるけど、私が育った場所はああいうお祭りとかはなかった。あののんびりした空気間がすごく良いよね~。

子ども生まなかった、何も残せなかった、って言ってたけど、別に良い気がするんだよね。楽しいことも、つらいことも、いっぱいあるだろうけど、ぼーっとする時間があるのが幸せなんじゃないかと思う、個人的に。

あの団地はご近所付き合いがとても良い。おせっかいと親切って境界線がひとそれぞれだけど、2人とも程よい距離感で近所付き合いをしているように見える。他の人からの干渉についてはちょっと違うかもしれないけど(笑)

 

ドラマの中で気になることは、ノエチの家だけ間取りが違うこと。棟が違うと変わるのかな?ほかの人の家は、同じ場所に冷蔵庫がある(春菜ちゃんの家は覚えてないけど)。団地の冷蔵庫の位置って結構同じになると思うんだよね。団地に限らず集合住宅ってそうだと思うけど。

昔住んでいた団地の友達の家では、テーブルとか寝る場所の位置は違えど、冷蔵庫の位置は同じだった気がする。だからノエチの家だけ冷蔵庫の場所が違うし、キッチンからお手洗いのドアが見えるし、なんで違うんだろう?って気になる。棟がたくさんあると、そういうこともあるのかな。

 

家具とかも気になる。なっちゃんの家のダイニングテーブル、コンパクトでかわいい。キッチンといえば、いろんな家のキッチンのコンロの壁が似てるんだよね。仲村トオルさんが演じてたお家と、若い家族(ケンカップル夫婦)の家とか、似てなかった?右側。ちょっと気になる。

 

私が住んでいた団地の家と、全然おしゃれさが違うんだけど、いろいろと思い出したので…。

 

生まれ育ったのは港町で、親戚には漁師がたくさんいた。祖父や伯父、叔父は遠洋漁業をしていたので、たまにしか家に帰って来なかった。近所に住んでいたたくさんの親戚は、関係性や名前を知らない人が多かった。●●おじちゃん、おばちゃんなどと呼んでいて、母のはとこだと説明されても、はとこというものがわからなかった。

海と山しかなくて、最寄り駅は車で2時間くらいのところにあった。海や川が透き通っているのは当たり前で、自転車は潮風ですぐに錆びた。錆止めというものは、潮風には通用しないことを知る。

毎晩、お刺身が食卓に並んだ。九州の甘い醤油と一緒に。副菜の位置で並んだ刺身を、当時はとくに進んで食べなかった。いつでも食べられるし、気分じゃなかったから。大阪に暮らしている今、毎日食べられるのであればバクバクと食べるだろう。

 

1人暮らしを始めて、ゆうこりんのブログをよく見ていた。食事がアップされるのが楽しみだった。かわいくてお料理上手で憧れ。ある日、ゆうこりんのブログの夕食メニューに刺身が載っていた。主菜!!刺身をメインのおかずにするの!?と驚いた。当時はまだ、刺身を食べたい欲があまりなく売り場にも行っていなかった。

中高と同じだった友だちと進学先が近かったため、よく遊んでいた私は、その友だちにゆうこりんのブログを見せた。

「刺身ってさ、主菜になると思う?」

この質問には理由がある。私の家庭では夕食時に私が食事をするのと同時に母が晩酌をしていた。母は夕食のおかずをあてにしてビールを飲んでいた。ご飯(お米)は食べずに、ビールとつまみを食べるスタイル。そして私と話したりテレビを見たりしていた。行儀は悪いと思うが、これがうちのスタイル。

だから、母のビールのつまみで刺身が毎日出ていたのかな?と思って友だちにたずねた。

「え!ならないでしょ。ぜったい副菜」

友だちの意見も同じだった。

 

数年後。大阪で仕事をしているときに、大阪で生まれ育った上司や先輩と地元の話になった。毎晩刺身が食卓に並んだこと、ゆうこりんのブログで主菜に刺身があって驚いたこと、海や川が透き通っていることを言うと、信じられないというふうに驚かれた。

「ぜいたくだ」

「うらやましい」

と言われた。

 

そしてまた数年たって、結婚して、私は今、しょっちゅう刺身が食べたくなる。

値段は、当時の地元の値段を知らないので比べることはできないが、食べたい刺身がない。いろいろ種類が入ってるやつがない。あと、毎日買い物に行きたくはない。かといって買い置きもできない。鯛がなくない?鯛が食べたいよ。

 

団地のふたり」、「その女、ジルバ」を見ると年を重ねるのがすこし怖くなくなる気がする。

 

そんなことを思い出した、ドラマ。

 

ジルバは漫画を読んでドラマを観たんだけど、団地のふたりは原作未読なので、今度読んでみたいと思っている。